「現像」と聞いて、暗室をイメージするのはもはや中高年以上でしょうか。
中学校の理科室には暗室があり、自分たちで作ったピンホールカメラの写真を現像していました。暗室の雰囲気がそうさせたのかもしれませんが、現像液に浸した印画紙に画像が浮かび上がる瞬間はまるで魔法のような出来事でした。
楽しくもある現像作業ですが、フイルムから自分のイメージした写真に仕上げるためには大変な時間とコスト、労力が掛かってしまいます。カラー現像に至ってはコスト的に一部プロの世界の話でしかありませんでした。
現在、デジタルカメラが主流となり、誰でも気軽に「デジタル現像」が可能な環境が整いました。少し違いますが、Instagramなどのエフェクトも近い処理です。
デジタルカメラが普及して、最も革新的だったのは、実はこの「現像作業」ではないでしょうか? 「現像がいらない」ではなく自分で「現像ができる」ようになったのです。ピンとこない方も多いとは思いますが、現像がいらない写真なら、昔からポラロイドなどのインスタントカメラがありましが、勝手に?現像されてしまうので、そこに手を出すことはほとんど出来ませんでした。
「Jpeg取って出し派」なんて言葉もありますが、照明やセット、レンズフィルタなど十分に用意できない一般のユーザーにとって、撮影時に写真を完結するのは至難の技ですし、まして以前のように高価な機材と環境を必要としない「デジタル現像」なら楽しまない手はありませんよね。まだ未経験の方は、敷居のなくなった「現像」の世界の門を一度叩いてみてはいかがでしょうか。
RAW現像で、撮影テクニックの稚拙さをごまかそうとしている訳じゃない・・・こともない・・・です。
サンプルはAdobe Lightroomで現像処理したものです。少し極端ですが、同じRAWデータから、露出と色温度、コントラスト、覆い焼き、焼き込みを施したものです。
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